むすひ便り 第1号 · 2026年夏

12メートルの雪と暮らしながら、AIの時代を考える

津南は、新潟の河岸段丘にある人口8,000人弱の町です。この土地には1万年を超えて人が暮らしてきました。平年で年およそ12mの雪が降り、豪雪の年には積雪が3〜4mに達することもあります。その1万年の大半、雪はただ「耐えるもの」でした。

私たちむすひは、2026年7月に地元住民が設立した小さな非営利法人です。「むすひ」は「結び、生み出す」という意味の古い言葉。AIの時代に多くの人が抱く問い——仕事とは何のためか、良い暮らしとは何か、テクノロジーは何をすべきで、何を人に残すべきか——について、津南のような場所こそ語れることがあると信じて、この手紙を始めました。

私たちの(まだ形になりつつある)答えはシンプルです。テクノロジーは黒子。主役は人と自然。この手紙は、その考えに向けた小さな実験の記録です。

11回の集まり——雪国の町は未来について何を語るか

法人を立ち上げる前に、私たちはもっと小さなこと——月1回の集まり「むすひ塾」——から始めました。2025年12月からこれまでに、町の未来を語る対話の場、地元中等教育学校の生徒が企画した認知症にやさしい交流カフェ、隣の十日町とともに開いたマルシェなど、11回の集まりがありました。第1回の参加者は5名。長く役場に勤めた方を招いた晩は23名でした。

安宅和人さんの「風の谷」の考え——テクノロジーの時代に、都市の外の場所は住み続けられるのか——を読みながら、私たちはひとつの問いに立ち返り続けています。雪の下のこの町で、それは何を意味するのか。結論はまだありません。でも、話したことのなかった隣人同士が同じテーブルに着いた。小さな町では、すべてはそこから始まります。

雪は捨てるものではなく、資源

いちばん胸が高鳴る「読み替え」がこれです。除雪も雪下ろしも、津南の雪は長らくコストでした。その雪は「冷熱資源」として読み替えることができます。町にはすでに雪室が4つあり、電気を使わずに米や野菜を低い温度で貯蔵し、味が良くなるとも言われています。

北海道をはじめ日本の雪国では、雪でデータセンターを冷やす先行例もあります。AI時代の電力を大食いするインフラと雪国の村は、実は互いを必要としているのではないか——私たちはこれを慎重に調べています。決定事項ではなく、住民と対話しながらの可能性の検討として。そして、すべての前提に、この約束を置いています。水源と森が最優先

次にやること

次の夢のひとつが、日帰りの「現代版寺子屋」です。都市と津南の子どもが、自然・食・雪国文化・エネルギー・防災を一緒に探究する小さな学びの場。まだ計画の段階です。形になっていく様子を、今後の号で正直にお伝えします。

この手紙が響いたら、ぜひサイトの他のページもご覧ください。ご支援は金額の大小を問わず、むすひの津南での活動全般——集まり・学びの場・地域プロジェクト——に使われます。詳しくはご支援のページへ(正直な注記:当法人は公益認定を受けていない一般社団法人のため、個人のご寄付は税控除の対象外です)。この地域の未来に、より大きな・長期の関わりをお考えの企業・財団・篤志家の方は、ぜひ直接お話しさせてください。そして何より、ただ感想を聞かせてもらえたら嬉しいです: [email protected]

代表理事から

「私はこの町に生まれ育ち、一度は町を離れました。この町をもう一度、人が帰ってきたくなる、住みたくなる場所にしたい——その思いでむすひを立ち上げました。いちばん伝えたいのは、自然と人とテクノロジーが混ざり合い、調和すること。すべてが支え合い、釣り合っていること。それが何より大切だと信じています。」

— 代表理事 桒原大輔

一般社団法人つなん地域創生むすひ(新潟県中魚沼郡津南町)。第1号・2026年夏。英語版は Tsunan Letters をご覧ください。